日本テレビ系列の札幌テレビ、中京テレビ、読売テレビ、福岡放送の4社が共同で4月に設立する「読売中京FSホールディングス(略称:FYCSHD〈フィックスホールディングス〉)」は11日、総務省で認定放送持ち株会社の認定証を交付された。社長に就任する石沢顕氏は取材に、「4局が力を合わせて新しい価値を作っていく」と意気込みを語った。
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同社の設立は昨年11月に発表された。人口減やメディアの多様化などでテレビ局の経営環境が厳しさを増す中、同社が持ち株会社として4社を子会社化することで、経営の効率化を図る狙いがある。設立による「シナジー(相乗効果)」として、番組、配信コンテンツ、アプリの共同開発や、人事交流や採用活動での連携といった取り組みなどを想定しているという。
今月7日に総務省の電波監理審議会で、認定放送持ち株会社として認定することが適当だと答申が出ていた。
この日、認定証を交付した阿達雅志副大臣は懇親の場で、「日本の放送業界の模範になるような形で進めていただければ」と述べた。
交付式後に取材に応じた石沢氏は、「まず4社がしっかりと結束すること、そしていろんなチャレンジをしていくことを通じて、ネットワーク全体がより活性化して協力体制が進む。そしてまた新しいもの作っていく。エコシステムみたいな形で機能していければいいなというのが、フィックスの狙いの大きな一つだ」と語った。具体的なプロジェクトを進めていく過程で、4社が協力して単発番組を作り同社をアピールすることも検討中という。
石沢氏は、「このタイミングで経営統合ができたというのは、余裕のある時に基幹局が、(日テレ)系列全体のパワーアップのために力を合わせようということ。系列全局が各地域との連携をしっかりと取りながら、きめ細かな情報収集と放送による情報提供、地方創生、こういったものを進めていければいい」とし、「全局が生き残るためにこのフィックスという機能を使い倒してもらう。我々もやれる可能性を広げていく。これをキー局と一体となってやる」と説明した。